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オタクと、妄想と、しょうもない話と、ジャンルが奔放すぎるラクガキ(でも創作寄り)
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stippelen blok uit(絵ちゃ)
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土日にアカデミーで話題になってた「レ・ミゼラブル」と「ライフ・オブ・パイ」を観てきました。
どちらも宗教観とか絡んでくる話なんですけど、個人的には圧倒的に後者が好みでした。

以下、パイについての感想です。クッソ長いです。
ネタバレなので畳みます。

3Dで観るのを薦められたのですが、映像はやはり綺麗でした。
時々、気になるところもあったんですけど、実物がよく分からないので3Dがおかしいのか
実物が変なのかはよく分かりません。そして細かい所は突っ込んではいけない。

<あらすじ>
インドに住んでたパイと家族がカナダに移民する時
(家では動物園を経営しており、カナダに行ったら動物を売ろうと動物とともに商船に乗った)
嵐で船が難破し、脱出用のボードに生き残った少年とトラが生還するまでの物語。

冒頭、とある小説家が小説のネタになるような経験をした事があるらしい主人公の家を訪れ
主人公が少年時代の生い立ち、人生観や宗教観を語りながら難破の話を語っていきます。
そして、物語が完結したところで、最後に主人公から端的に2つ目の別の物語が語られる。
(それが、この作品のミソというか、シンプルな冒険ファンタジーじゃないポイント)

-------------------------------------

観終わってから、いろいろ気になってレビューとか漁ったんですが、結論からいうと
いろいろな解釈ができるというか、いろんなキーワードが込められていて、
心の持ち様次第で好きに解釈して良い寓話的な物語なんだろうなと思いました。
宗教をどう捉えてるかとか、その人の価値観で鏡的にどうとでも捉えられるように
どの物語にも様々な真実味と破綻が織り込まれてる印象です。

好きに選べというのも好きですが、心理学云々を引っ張って真実を探究するのもまた楽し。
色々意見が飛び交ってて、3つ位結末パターンがあると思うので、3つの視点からの感想。

1.パイは本当にトラと227日間過ごして、奇跡体験をした(1つ目の物語)
2.パイは本当はトラと過ごしてなどなく、遭難時の恐ろしい現実(2つ目の物語)を
  1.の物語を紡ぎし、自分を心の闇をトラに置き換えた事で乗り越えた
3.パイは難破体験を1.によって乗り越えたが、2つ目の物語もまた真実ではないパターン

◆他のレビューを見ていると2.の捉え方をする方が多いようで、
生々しい出来事を、人間が宗教という物語に変えたようにパイも自らの崩壊した価値観を
奇跡体験を紡ぐことで乗り越えたとか、そこに強さを見出したっていう事なんでしょうけど
2は個人的に胸糞悪いホラーに思えて好きになれませんでした。

2.が本当なら、生きるための恐ろしい現実を、幻想的なファンタジーに作り変えても
過去の出来事を信者が宗教にして信じるならいざ知らず、実体験した本人がそんな都合よく2の話を乗り越えられないだろうと思うのです。
2が本当なら、主人公も爽やかにその後の人生を過ごせるのかとか、
話を聞かされた作家もそのまま爽やかに聞いていられるのかというのが引っ掛かる、
ってか、怖い。2の物語が怖いのでなく、幻想物語を経て爽やかに過ごせちゃったのが怖い。

◆隠された真実云々を語るなら個人的には3を押します。
1はあまりにファンタジーなので、2の方が現実的っぽいというか、
1は現実の2をベースにミニョネット号事件と絡めた寓話という感覚に陥りますが、
2も突っ込み所がある気がする。以下のように。
・1の話で”バナナの矛盾”を日本人の保険会社社員から指摘されたのに、
 2も”バナナの矛盾”はそのままだった
・現実のミニョネット事件の生存者が裁判沙汰になったように、船の痕跡で世間で騒ぎに
 ないだろうか(それとも227日も遭難したら、凄惨な痕跡は消えちゃうでしょうか)
・1のトラの名前がミニョネット号事件の少年の名前(2が正しいという見解に繋がる)を
 主人公が思いつくなら、ミニョネット号事件のような2の状況も主人公の中で作れるだろう
 (これは突っ込みどころでは無いですが)
後、どこからが虚構かという議論も出ていましたが、保険会社なら難破船の荷物のリストも
手に入るだろうし、家族が動物園を経営していたとか、難破したは本当でしょうね。
 
◆で、3番という事になるんですが、私の貧弱な想像力では、
3がどう言った状況だったのかとか、1と2のような物語が作った理由は?
とかがイメージ出来なかったので、物語の完結としては、保険屋さん、作家さん同様
結果的にぐるっと逡巡して1の考えにに戻って落ち着いてしまいました。

原作・映画をもっと読み込んだり、作品の影響を与えた事件や
それをテーマにしたポーの小説とか、もっと調べたら見方も変わってくるのでしょうが
人の心の持ち様で、3つのどの選択肢も選ぶ懐の広さがあるのが、
この物語の良いところかなと思います。

またテレビで観る機会があったりとか、DVD出たらまた観よう。
冒頭の父親の言動や、宗教観についてもっと深く読み込んでいきたいです。
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